麻雀のルールである「焼き鳥」をご存じでしょうか。
Mリーグや麻雀最強戦といった公式戦では採用されていないものの、実は麻雀をよりスリル満点な競技に進化させられる、大変面白いルールなのです。
今回はこの焼き鳥ルールについて、ルールの内容や言葉の由来、焼き鳥ルールを採用した対戦での戦略についてなど、解説していきます。
麻雀の焼き鳥はローカルルール!どんなルールなの?
一言でいうと、「半荘で一度もアガれなかった人は罰符がつくよ」というもの。
半荘ですから、東一局から南四局までの間が対象で、一度もアガれなかったプレイヤーを「焼き鳥」と呼び、ペナルティが発生するというルールです。
牌一式がセットになっているものに、「やきとりマーク」と呼ばれるオレンジ色の板が入っていることがあります。
焼き鳥のルールを採用する場合にはこの板を使用し、一度アガったプレイヤーはやきとりマークを裏にしていくことで、どのプレイヤーが焼き鳥であるかわかるようにします。
しかしながら、この焼き鳥というルール自体、ローカルルールとなっているので、Mリーグや麻雀最強戦などの公式大会でも目にすることはほとんどありません。
ローカルルールですので、正式に何点の罰符が発生するのか決まっていませんし、点数の移動が清算の前なのか後なのか、という部分も決まりがありません。
基本的には、焼き鳥となったプレイヤーがいる場合には、焼き鳥でないプレイヤーで罰符を山分けする場合が多いようです(ネット上の解釈はこれが通説)。
「罰符は何点にするか、適用は清算の前か後か」など、対局前にプレイヤー間で認識を統一させておく必要があります。
雀が由来している?なぜ焼き鳥なのか
なぜ「半荘で一度もアガれなかったプレイヤー」が焼き鳥と呼ばれるのか、言葉の由来にはいろいろと諸説があるようです。
- 麻雀自体が漢字の通り雀に由来している点があり、「アガれない=飛べない鳥は焼き鳥にするしかない」という考え方から
- 麻雀は相手のプレイヤーから点数をむしり取るが、これが焼き鳥の調理過程と同様だから
上記のような説が多く知られているようですが、筆者個人としては①のほうがしっくりきますね。
「焼き直し」というルールもある
場合によっては、全員が焼き鳥を回避した際にもう一度全員の焼き鳥が復活する、というルールもあるようです。
これは「焼き直し」と呼ばれているようですが、焼き鳥というルール自体がローカルルールですので、焼き直しについてはローカルルールのローカルルール、とも言えるかもしれませんね。
「焼き戻し」というルールでスリル倍増
焼き直しだけでなく、焼き戻しというルールもあるようです。
アガった場合には、本来であればやきとりマークを裏にして、焼き鳥を回避したことをほかのプレイヤーに知らせます。
しかし、この「やきとりマークを裏にする」という作業を忘れて行わないまま次の局に突入した場合、もしその後に気が付いたとしても、焼き鳥のままプレイを続行しなければならないというルールがあります。
これを「焼き戻し」と呼んでいます。
しかし、「焼き直し」というルールを「焼き戻し」という言い回しで表現していることもあるようなので、そのあたりは注意しましょう。
回避しても安心できない!「焼き豚」ルールの存在
焼き鳥だけでなく、焼き豚というルールもあります。
これは、それまで焼き鳥のままでいたプレイヤーが、オーラスでロンアガリを決めて焼き鳥を解消した場合、放銃をしてしまった側のプレイヤーは、焼き鳥と同様のペナルティが発生してしまう、というルールです。
このルールによって、「先行逃げ切り」の戦い方がしづらくなるので、最後の最後までスリルを感じる対局を楽しむことができます。
【戦略】焼き鳥が有効なときの戦い方は?スピードが大切
もしも焼き鳥が採用されている対局に参加するとなったら、どのようにして戦えばよいのでしょうか。
とにかくアガれば焼き鳥を回避できるわけですから、アガるまでのスピードが必要なわけです。
焼き鳥回避① リーチだけでもとりあえずアガる
焼き鳥を回避するのが優先だとすれば、リーチだけでの良いのでまずは1度でもアガることを目標にして打ちましょう。
もしも最初のアガリがリーチだけの1,000点だったとしても、焼き鳥の罰符が10,000点だった場合には、11,000点の価値があるとも考えられるわけです。
そのほかにも、ツモだけ、ピンフだけといったように、比較的出来上がりやすい1翻の役を目指すのがおすすめです。
焼き鳥回避② 待ちはアガリやすさ重視の両面待ち
リーチのみでテンパイをするなどの場合でも、単騎待ちの場合と両面待ちの場合では、アガりやすさが大きく違います。
例外として、先にリーチをかけていた親の現物を単騎で待ってみるという方法もありますが、基本的には待ち牌の枚数が多いほうが有利ですので、両面待ちを意識しましょう。
焼き鳥回避③ 手牌は暗刻より順子を重視
四暗刻や対々和など、暗刻を多く使うことで打点が高くなるという役もあります。
しかし、焼き鳥を回避するためのスピーディーなアガリが欲しい場合には、暗刻の多い手ではなく順子が多い手牌を目指しましょう。
暗刻が多いと、最終的な待ちがシャンポン待ちになってしまう可能性もありますし、順子が多い手であれば、ピンフも視野に入ります。
意外とピンフのみでアガれることもありますから、焼き鳥回避を最優先に考えるのであれば、暗刻よりも順子を大切にしてみましょう。
【まとめ】いつもの麻雀をよりスリルあふれるものにする、焼き鳥ルール
東一局から南四局までの間で、一度もアガれなかったプレイヤーを焼き鳥とし、罰符を課すというルールがあります。
この焼き鳥ルール自体がローカルルールのようなものなのですが、焼き直しや焼き豚など、焼き鳥ルールをよりスリルあふれるものにするローカルルールもあります。
「先行逃げ切り」という戦い方ができなくなる分、最後まで緊張感を感じて対局に挑むことができるようになるので、いつもの仲間と一味変わった麻雀がしたい、という方には特におすすめですね。