
麻雀はなかなかルールが複雑で、初心者の方は役を覚えるだけでも大変なはずです。
そのため、簡単に覚えられて、かつ使う場面が多い役から覚えていくことが大切でしょう。
ここでは、3枚同じ牌を揃えるだけで1翻つく、「役牌」について解説していきます。
役牌=役がつく字牌|字牌すべてが役牌なのではない

役牌というのは、特定の同じ字牌を3枚揃えたときに成立する役ですが、すべての字牌が対象なのではありません。
対象なのは、三元牌と、場風と自風です。
【三元牌】

白、發、中の3種類を、まとめて「三元牌(さんげんぱい)」と呼びます。
これらの牌は、どのような場風や自風の局であっても、同じ牌を3つ揃えることで、1翻の役となります。
【場風】

麻雀の試合では、「東一局、〇本場」という名前のようなものが付けられていて、「東〇局」なら「東場」、「南〇局」なら「南場」と呼ばれています。
東場なら東が役牌となりますし、南場なら南が役牌となります。
【自風】

局によって、各プレイヤーには「東南西北」の1つが割り振られていて、自分に割り振られた方角が自分の「自風」になります。
自風は役牌となりますが、自分以外のプレイヤー(他家)の方角は役牌とならないので、注意しましょう。
役牌は鳴いて揃えてOK!初心者向けの揃えやすさ

麻雀の役のなかには、門前が条件になっているものもあるので、鳴きを使えないケースも多々あります。
しかし、役牌の場合には鳴いても成立するため、初心者でも扱いやすい役なのです。
また、カンをしても役牌として成立しますから、ドラを増やすなど積極的な麻雀にも有効です。
役牌には注意点もある?ルールによっては後付けNG

鳴いてOK、カンして揃えてもOKと、条件が少なく扱いやすい役だと紹介してきました。
とはいえ、まったく条件が無いわけではなく、場合によっては役牌として成立させられないケースもあるので、どのような場合に注意すべきなのか、解説していきます。
ローカルルールで、“後付け“が許されない場合がある
麻雀にはローカルルールという概念があり、雀荘やサークルなど団体により、特有のルールが定められている場合があります。
その時には、いわゆる“後付け”が許されていない場合がありますので、注意が必要です。
後付けというのは、役と関係のない面子を先に鳴くことで完成させ、その後に役をつけるための鳴きやロンをすることです。

白を3枚揃えて「役牌」を狙っている場合で、手牌にマンズの「2・3」とあった場合、白を揃える前に上家の「4」をチーして、白を3枚揃える前に「2・3・4」を揃えてしまうことが、白の後付けとなります。
後付けに関して、ローカルルールが定められている可能性がありますから、前もって確認しておく必要があるでしょう。
門前でのみ成立する役と複合する場合には、鳴きができない
例を挙げると、「一気通貫」という役は門前であることが条件となります。
この「門前である」という条件は、一気通貫を構成している牌だけでなく、手牌全体に言われる条件なので、一気通貫を構成する牌を門前で揃えたとしても、後から發を鳴くことで3枚集めてしまった場合には、その時点で一気通貫が成立しなくなります。
高打点を狙うためには、様々な役を複合させることが大切になりますが、狙っている役のなかで門前を条件としている役がひとつでもある場合には、注意が必要でしょう。
役牌は「攻めの麻雀」「守りの麻雀」どちらにも使える

実はこの「役牌」という役、「攻める場面」でも「守る場面」でも、様々な使い方をすることができるのです。
具体的に、どのような使い方があるのか、解説していきます。
攻めの麻雀には、役牌はどう使う?
役牌というのは、もちろん3枚揃えることで1翻つきますが、字牌として使えるということも忘れてはなりません。
ということは、字牌と1種類の数牌で構成する「ホンイツ」や、刻子を4つ作ることで成立する「トイトイ」など、「字牌+α」で作る役にも使えるということです。

こうした役は高打点に繋がりやすく、「役牌」と複合して翻数を重ねていくこともできますから、初心者が高打点を狙いに行く手段として、とてもオススメです。
また、自分が親である場合には、和了(アガる)したときの点数が1.5倍になりますから、とにかく自分の親番を連チャンさせていくことが重要になります。
しかし、毎回「リーチ」や「ピンフ」などの役を重ねていくことは難しいですから、連チャン数を稼ぐ目的で、「役牌」のみでアガることも必要になってくるのです。
親の連チャンを続けるためにスピードが求められる際にも、役牌は活用できるのです。
守りの麻雀には、役牌をどう使う?
先ほど、自分の親番を連チャンさせるために、スピードを求められるシーンで役牌を活用できる、と解説していました。
この「スピードを求められたシーン」というのは、攻めが必要な場合だけでなく、守りを重視しなければならない場合でも同様です。
それは、他家の親番をすぐに終わらせたい、という場面です。
自分の親番を連チャンさせたいように、他家も自分の親番を少しでも多く連チャンさせたいと思っており、特にすでにトップになっている他家に連チャンをされてしまうと、その時点で勝負がついてしまうということも考えられます。
よって、点数ではなく「他家の親番を早く終わらせ、自分まで親番を早く回したい」という場合にも、役牌を使うことができるのです。
ここまでは、役牌を1つの役として見てきましたが、実は「安パイ」としても活用できます。

3つ揃えないと役としては成立しませんが、「白を1枚しか持っていない」という場合でも、他家がすでに白を捨てているという状況にあれば、それは安パイとして使えますよね。
また、字牌というのは序盤で捨てられやすい牌とされていますから、序盤の内に「安パイだ」という情報を得られやすく、自分のアガりが難しくても、「相手に振り込まない」という“守りの麻雀”に切り替えることが可能です。
完全な安パイになっていなくても、役牌をはじめとする字牌は、他家の当たり牌になりづらいとされています。
字牌を捨てたことによる放銃は、可能性が低いということですね。
これは、字牌ではリャンメン待ちやカンチャン待ち、ペンチャン待ちをするのが不可能である、ということが理由です。
字牌を待ち牌としている場合の待ち形は、単騎、シャンポン待ちが基本で、「国士無双」など、自分がまだ1つも持っていない牌を待つ役も多少あるくらいでしょう。
リャンメン待ちとカンチャン待ち、ペンチャン待ちの可能性がゼロというだけでも、かなり放銃の不安が解けますよね。
その裏をかいて字牌待ちを選ぶ相手もいるかもしれませんが、数牌よりかは振り込みづらい牌と言えるはずです。
【まとめ】役牌は麻雀初心者にも“超”オススメの戦い方
三元牌、場風、自風は「役牌」と呼ばれる役として使うことができ、3枚揃えるだけで1翻つけることができます。
カンを含めて鳴きOKの役ですので、スピード感をもったアガりを目指す際にも有効です。
ホンイツやトイトイといった役と複合させることもできますから、初心者の方でも高打点を狙えるはずです。